虚構推理 2話「ヌシの大蛇は聞いていた」【アニメ感想】
虚構推理アニメ2話の感想・レビューです。ネタバレありです。
前回ラストはどこか怪異バトル的な雰囲気を匂わせていましたが、今回は推理要素が前面に出ました。
ほぼ解決している殺人事件について気になる点を、一対一の対話でどんどん掘り下げていく話。
今回のエピソードは短編のひとつであり本編はまだですが、本作の雰囲気が伝わる回だったのではないでしょうか。
【今回の虚構推理】
11歳のとき、人魚の肉を食ったことで再生能力を得たという九郎。
人魚の肉を食べた者は不老不死になると言われるが、もうひとつ食べた妖怪が不老の効果を打ち消しているのかもしれないとのこと。
それ以上九郎は詳しく説明せず。
その後、隣の県のヌシのお悩み相談に向かうことになった琴子。
九郎は豚汁をたべることを理由にその誘いを拒絶。
山奥の沼の前で大蛇のヌシと話す琴子。
ヌシの悩み。それは、この沼に捨てられた他殺死体について。
なぜあの女は死体をこの沼に捨てたのか。
一ヶ月前、この沼に浮かぶ死体が登山者によって発見。
被害者の名前は吉原紘男。
そして谷尾葵という30歳の女性が犯人として逮捕。彼女も犯行を認めている。
では谷尾葵が沼に遺体を捨てたのは、隠すためだったのか?
否、と考えるヌシ様。
なぜなら、谷尾葵は遺体を捨てるときに「うまく見つけてくれるといいのだけれど」とつぶやいたから。
しかし谷尾葵自身は沼に遺体を捨てた理由として、沼の大蛇に食べてもらおうと思ったと供述。
これを受け、やはり彼女はヌシに遺体を食べてもらい隠そうとしたのだと答える琴子。
それも否と考えるヌシ。
もしそうだとしたら、谷尾葵は「うまく食べてくれればいいのだけれど」とつぶやくはずだから、と。
これは長くなりそうだなと、あらためて事件の概要を確認する琴子。
5年前、谷尾葵の恋人町井義和が会社の同僚女性と心中自殺。
しかも町井が横領をしていたことも発覚。
そのショックで実家に帰った谷尾葵。
すると今年になって谷尾葵のもとを訪ねた町井の同僚吉原紘男の口から上下期の事実が発覚。
横領をしていたのは吉原。その告発をした町井と同僚女性を心中自殺に見せかけ殺害し、横領の罪もかぶせたというのが真相。
しかしそれから吉原は数々の不幸に見舞われることになり、罪滅ぼしとして関係者に懺悔することにしたらしい。
以上が谷尾葵の供述。
谷尾葵のところに来る前に、町井の弟にも会おうとしていた事実も判明。
そして結果として、谷尾葵はこの告白を聞き吉原を殺害してしまった。
以上を踏まえて、琴子はあらためて谷尾葵が遺体を沼に捨てた理由を推理。
答えは、真犯人をかばうため。
真犯人は町井の弟。
吉原と会う時に、実は町井の弟も同席していたのではないか、と。
そして遺体を沼に捨てた主な理由は3つ。
第一に、遺体に残っているかもしれない真犯人の痕跡を消すこと。
第二に、真犯人のアリバイ作り。
第三に、犯行現場の痕跡を消すため、水神であるヌシを怒らせ雨を降らせること。だからこそ、ヌシに「うまく見つけてくれるといいのだけれど」とつぶやいた。
以上の琴子の説明にも納得しないヌシ。
その推理が正しいとするなら、「うまく大雨が降るといいのだけれど」「大蛇が怒るといいのだけれど」とつぶやくはずだ、と。
その反論に対し、「もっともです」と返す琴子。
共犯者も真犯人もおらず、犯人は谷尾葵ひとり。
ほとんど供述通り。違うのは遺体を沼に捨てた理由のみ。
では、遺体を沼に捨てた理由とは?
今回はここまで。
【感想】
美少女と大蛇が殺人事件についてあれこれ語り合うなんとも奇妙な回でした。
でも面白い。
原作漫画を読んでいたときは思いませんでしたが、あらためてアニメでこの話を見たとき、なんとなく『氷菓』アニメ19話「心あたりのある者は」をちょっと思い出しました。
少人数の対話だけで推理・物語が進行する話はやはり面白いですね。
そしてこのアニメにとっては、今回のそもそもの対話相手となっているのが怪異というのがひとつのポイントでしょう。
つまり、怪異の存在が事実として前提されているということ。
そうなると、推理がどのように位置づけられることになるのか。
次回からは本編である「鋼人七瀬」の物語が始まります。
期待です。
以上、虚構推理2話の感想でした。