因果交流電燈

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『よう実2年生編』第1巻感想

ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編』第1巻(12巻)の感想・レビューです。

がっつりネタバレがあるので注意。

 

 

よう実の感想を書くのは初めてです。

 

原作1巻やアニメ1話などからあらためて感想を書くというのもアリでしたが、いっそのこと現時点の最新刊から始めようということにしました。

そのため予備情報などを一切提示するわけでもなく、ただ最新刊の感想を書いていきたいと思います。

 

 

 

 

ちなみに、私はアニメで『よう実』を知ってそこから原作を読むようになりました。

アニメ1話を見たときは拒否感しかありませんでした。

しかしとりあえずアニメは全話見ることにしようと決意し、アニメを見終わったらなんか原作が気になってきて、気が付いたら原作最新巻を楽しみに待つ体になっていました。

 

というわけで2年生編1巻の感想。

 

かなり良かったと思います。面白かったですね。

 

まずストーリーについて超簡単にまとめておきましょうか。

綾小路たちが2年生になってからの最初の特別試験が、新入生たちとペアを組んだ学力テスト。

クラス同士の争いももちろんありつつ、綾小路にとって最大の問題はホワイトルームからの刺客が新入生の中にいるということ。ソイツは綾小路の退学を狙っているだろうから、もし今回の試験のペアに選んでしまったらアウト。

かくして、退学者を出さないという表の堀北中心の戦いと、ホワイトルーム出身者は誰かという綾小路個人の裏の戦いが始まることになったわけです。

 

そしてこの巻では、

 ・クセが強い新入生

 ・「ホワイトルーム出身者は誰か」という謎

 ・南雲生徒会長による新体制

 ・綾小路の活躍

という4つの要素が上手いこと噛み合っていた気がします。

 

綾小路を退学させようとしている月城理事長代理や、新たな体制をつくろうとしながら堀北前会長の因縁から綾小路に注目している南雲会長のせいで、新入生も含む前線に綾小路が駆り出されることになる。

同時に、入学そうそう綾小路と急接近するような新入生(しかも女子)が登場するというハーレム的に思える展開も、ホワイトルーム関係で逆に怪しさ満載になる。

そして、こんなゴチャゴチャな展開になってくるからこそ、綾小路の真の活躍が見たくなる。

 

こんな感じで、それぞれの要素がうまく連携していた気がします。

 

 

 

この巻全体に関する感想はこんな感じですが、結末なども含めた細かい点についての感想も書いていきましょうか。

 

まず一番わかりやすい点から言えば、今回の綾小路の活躍は良かったですね。

 

あらためて考えてみると、これまでも綾小路は陰でいろいろ暗躍・活躍していましたが、彼の真の能力を知っていたり疑っていたりする人物はかなり限られていました。

それはそれで、真の実力者だけはわかっている的な感じで面白かったのですが、今回大きかったのは、傍目から見ても異常だとわかる学力の成績を綾小路が見せたことと、堀北がようやく綾小路の実力を疑わなくなったということでしょう。

堀北と須藤に関しては、綾小路の学力だけでなく戦闘力のヤバさも直に見たわけですし。

 

これを踏まえて綾小路と堀北の協力関係が今後どう変わっていくのか。

実力の一端を示したからといって、軽井沢に頼むものと同じくらいの暗躍を綾小路が堀北にも頼むとは思いませんし、堀北からしたら今回の勝負で負けた以上綾小路にそのままクラスの戦いに関する協力をお願いすることはできないでしょう。

ただ、綾小路を退学させようとする謎の試験があることを堀北は知りました。このへんが、2人の協力関係に少し変化を与えるのかもしれませんね。堀北の生徒会入りもここらへんに絡んでくるのかも。

 

次に、学校の新たなルール関係について。

今回明らかになったのは、学年を超えた関わりが今後増えていくこと、暴力沙汰も上手くやれば問題なくなったこと、新入生の間で綾小路を退学させようとする試験が動いていること、この3つですかね。

 

暴力問題の緩和は今回のひとつのネックではありましたが、今後の展開にとってはもしかしたら良いことだったのかもしれません。

ムカつく敵に対して綾小路が実力行使するという展開がありえやすくなり、同時にその成果が周囲にも伝わりやすくなるから。

例えば龍園一味との喧嘩はこれまでで一番の物理的なバトルでしたが、その真相を知っているのはほんの一部でした。その結果を知る者が多かったら、いろいろ変わることもあったでしょう。

 

そして、綾小路を退学に追い込むという1年生の間で密かに導入された特別試験。

滅茶苦茶な新要素ですが、新入生が綾小路と関わることを後押しする上では重要なものだったのでしょう。

ただこの試験については、今回ではまだ解決しませんでした。しかもその試験を誰が課したのか、そこに月城理事長代理がどれほど関わっているのか、まったく判明していません。

 

この件に関して、もっともわかりやすい黒幕として予想できるのは、1年Dクラス担任の司馬でしょうか。

さすがに特別試験という体裁をとっている以上、ホワイトルーム出身者の生徒では無理でしょうしね。

大穴としては、2年Bクラス担任の星野宮とか。最近全然出番がありませんし、前から綾小路を怪しんでいましたから。この場合、ホワイトルーム関係の謀略とは無関係に、もうひとつの策略が進行しているということになるわけですね。

 

そして今回一番の見所は、やはりクセが強い新入生たち。

現時点で目立っているのは以下のキャラ。

1-A

天沢一夏:天真爛漫腹黒美少女。

 

1-B

八神拓也:櫛田と同じ中学出身を名乗る後輩

 

1ーC

椿桜子:謎。サバサバ少女。

宇都宮陸:謎。目つき悪い。

 

1-D

宝泉和臣:龍園レベルの悪者。

七瀬翼:冷静かつ豪胆。綾小路に何か思うところアリ。

 

今回のメインはDクラスの宝泉と七瀬。結果として2人は綾小路に敗北したかたちになりました。

 

しかし一番の問題は、ホワイトルーム出身者が誰かということ。

綾小路は、どれも候補からは外せないと考えている様子。

少なくとも今回の材料だけではわからない気もします。

 

それでも誰かを挙げるとすれば、やはり第一候補はBクラスの八神でしょうか。

まず、綾小路との接触が一切ありませんでした。月城の指示を無視したかもしれない以上、そういった対応はありえます。

また、宝泉が最初に2-Dを見にきたときの騒動における八神と宝泉の会話は、八神が例の綾小路退学特別試験のことを把握しているっぽい感じでした。まあこの点は逆に八神がホワイトルームとは無関係と示していることになるのかもしれませんが。

そして何よりも、櫛田の後輩というところがクサい。しかも現時点では本当に八神が櫛田の中学の後輩なのかも判明していません。綾小路と陰で敵対している櫛田と組むことにしたというのはわかりやすいですね。実際、同じ中学で秘密を知っているかもしれない彼と櫛田がペアを組んだ理由はまだ明らかじゃないですし。

 

次点は七瀬ですが、彼女はホワイトルーム関係とは別の理由から綾小路を怪しんでいる気がしますね。

冒頭の月城との話し合いにおいて綾小路への憎悪云々という伏線があったうえで、綾小路に策略を見破られた際に見せた憎悪の感情。ちょっとわかりやすい感じがしますし。

それに、七瀬が綾小路に放った「この学校にふさわしくない」という発言が引っ掛かります。

もしホワイトルーム出身者ならば、この学校のことなど考えるでしょうか。

 

とはいえ、結局は情報不足です。特にCクラスの2人はまったくわかりません。

しかしだからこそ、宇都宮と椿が今回の黒幕だとしたら少々アンフェアだという気もしてきます。

 

結局、このホワイトルーム関係者の推理において、特別試験という暗幕がうまく作用しています。 

 

ちなみに、今回謀略の一端を担っていた天沢が今後どうするか楽しみです。

天沢と綾小路2人の性格からいって、今回の一件の後も変わらない関係を築きそうな気がするから。

 

とりあえず今回の一番の見所は、ありがちな生意気新入生である宝泉を綾小路が成敗したことでしょうね。

龍園のときみたいに長引くものにならなくてよかった。

 

あとは軽井沢の恋愛模様も気になるところです。

前回綾小路と付き合うようになったときはちょっと不穏な雰囲気がありましたから。

できれば、綾小路が軽井沢を泣かせる展開にならないことを祈ります。