因果交流電燈

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『ブルーピリオド』1巻【漫画感想】

今回は、『ブルーピリオド』(山口つばさ、講談社)1巻の感想を書きたいと思います。軽いネタバレを含みます。

 

 

『ブルーピリオド』は、『アフタヌーン』で現在も連載中の作品であり、2019年9月現在、単行本は5巻まで出ています。

 

あらすじ

成績優秀、世渡り上手。

飲酒喫煙夜遊び好きで人望もあるリア充高校男子が

なぜか絵を描く喜びに目覚めた!?

美大を目指して青春を燃やす

スポ根受験物語が開幕!

 

最近特に思いますが、文化系スポ根ものは良いですね。

『ブルーピリオド』もかなり面白いです。

スラムダンク』の美術版とでも言えましょうか。特に主人公に関して。桜木ほどの不良ではありませんが。

 

主人公・八虎は優秀で空気を読むのがとてもうまいですが、その実、どこか空虚さを感じています。

 

そんなとき、ふとしたきっかけで美術部員が書いた絵を見て八虎は衝撃を受けます。

 

そこから八虎は、自分の感性に向き合うようになります。

「早朝の渋谷が好き」であり、その光景が「青く見える」という感覚。

しかしそれが誰にも上手く伝わりません。

 

八虎が衝撃を受けた絵を描いた張本人・森先輩にその感覚を伝えてみると、先輩は言いました。

 

「あなたが青く見えるなら

りんごもうさぎの体も青くていいんだよ」

 

八虎は青い絵を完成させます。

友達のひとりが、その絵が早朝を描いたものだと気づきます。

 

八虎は、はじめてちゃんと会話できた気がした、と涙を流しました。

 

そこから八虎は絵を描くことにのめり込んでいくことになります。

美大を目指し、美術部に入ります。

さらには、美大受験のために予備校にも通うことに。

そして他の予備校生の作品を見て、八虎は…。

 

 

1巻の内容はこんなところでしょうか。

美術に関するいろいろな解説もあって勉強になります。

自分もちょっと絵を描きたくなってしまいます。

 

そして何よりも、印象的・魅力的なキャラばかりです。

 

八虎はひたすら真剣に絵に向き合います。

最初は美術部員たちも八虎の入部を警戒していましたが、それもすぐなくなります。

元「リア充」と言ってしまうとかなり薄っぺらく思えてしまいますが、実はかなり好感が持てる主人公です。

 

八虎の同級生であり美術部員でもある「ユカちゃん」こと龍二というエキセントリックなキャラもいます。

女装男子です。しかもかわいい。変な趣味に目覚めてしまいそうになります。

 

美術部顧問の先生も、まさに理想的な先生といった感じでとても素敵です。

 

しかしやはり個人的に一番好きなのは、森先輩です。

小さくて可愛らしく優しい先輩ですが、絵を描く姿は八虎をして「こわい」と言わせるほどの迫力があります。

そして八虎にとって森先輩は、絵を描くきっかけになった人であり、神のような存在として知らず知らずのうちに崇拝しています。

 

こうした人間関係も、この作品の大きな魅力でしょう。

他にも、美大を目指すことにした八虎と母親の話などもとても良いです。

 

ここからは予備校がメインの舞台となって、スポ根っぷりがどんどん加速していくことでしょう。

 

続刊の感想も今後書く予定です。