因果交流電燈

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ぼくたちは勉強ができない第2期13話「祭の終わりは寂しくも華やかに[x]どもを祝福する」【アニメ感想】

ぼく勉2期13話の感想・レビューです。ネタバレありです。

 

すごいことになりました。

 

ぼく勉アニメ最終回。

 

うるかEND。

 

3期は当然あるだろうと思っていたところに、まさかの爆撃でした。

 

やはりというか、今回の最終回についてはいろいろ騒がれているみたいですね。

 

しかし、これをどう捉えれば良いのか。

つまり、原作とアニメの結末が同じなのかどうか、という大問題。

一応原作者は「ノーコメント」と述べていますが。

 

個人的には、原作とアニメの結末が違うという可能性も大いにあると思います。

 

とりあえず、やってくれましたね。

 

今期のアニメは最終回付近でいろいろぶちかましてくれる作品が多い。面白い。

 

 

 

【今回のぼく勉】

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©筒井大志集英社ぼくたちは勉強ができない製作委員会

 

文乃が劇で着ぐるみの成幸にキス。

動揺して逃げる成幸と、なんとかアドリブで劇を無事に終える文乃。

 

それから成幸は衣装の間違いに気づいたものの、いばらの会が着ぐるみ王子の正体を血眼になって探していることを知り、沈黙。

一方、着ぐるみ王子が背負っていたギターケースを見てその正体があしゅみー先輩だと思っていた文乃は、それが誤解だったとわかり茫然自失。

 

その後、とりあえず成幸たちの協力もあって理珠クラスのうどん屋は無事繁盛。

 

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©筒井大志集英社ぼくたちは勉強ができない製作委員会

 

そして問題の後夜祭の花火。結ばれるというジンクスのアレ。

 

いざ一発目の花火が打ちあがるという時になって、関城、いばらの会、水泳部が若干暴走。

彼女たちに押された理珠、文乃、うるかが成幸にぶつかり、さらに真冬先生とあしゅみー先輩にも激突。

 

しかし、実はトラブルがあって問題の花火は打ち上がらず。

 

倒れた成幸に差し出された手。

その手を握る成幸。

そのとき打ち上がった花火。

成幸の手を握った相手はシルエットで正体不明。

 

文化祭が終わり、真冬先生と面接練習する成幸。

そこで成幸は教育学部に進学したいと明確に宣言。

成幸の志望理由を聞き「合格」と告げる真冬先生。

 

その後、急に時間が流れ、成幸たちはみんな大学に合格。

 

さらにその後、留学するうるかの見送りに来ている文乃、理珠、あしゅみー先輩、あと水泳部の川瀬と海原。

電車のトラブルで遅れている成幸。途中で真冬先生と遭遇。先生との恐怖ドライブで空港に直行。

 

空港に到着した成幸。転倒。

そんな成幸に手を差し出すうるか。

 

飛行機の中のうるかと、それを見送る成幸。

ふたりは共に、自分の手を見て微笑み。

 

これでおしまい。

 

 

 

【今回の感想】

さて、何から書けば良いのか。

 

まず大前提として、楽しめました。

少なくとも、物議をかもしているストーリー以外のクオリティ面に関しては、言うまでもなくこれまで通り最高でした。

 

ただ問題はやはりストーリー。

 

このアニメ2期が文化祭編で終わるっぽいとわかった後に知りましたが、原作漫画の文化祭編における花火のシルエットについてはいろいろ考察もあったりしたんですね。すごい。

でもそれだけではやはり結論は出なかったらしく、結局は好きなヒロイン談議に落ち着いていた感がありますが。

 

そんな中で今回のアニメ最終回の衝撃。そりゃ荒れますよ。

 

ちなみに僕はコミック勢なので週刊連載の最新話までは正確に把握していませんが、そっちもどうやらいろいろ盛り上がっているようですね。

このタイミング、明らかに狙っているとしか思えません。

 

こうした原作とアニメの連動やズレを意識的に利用した試みというのは最近増えてきた気がします。個人的には結構好きです。もちろん上手くやれば、ですが。

 

一番印象的だったのは、『名探偵コナン』劇場版の『異次元の狙撃手』ですかね。コナンはさすがに国民的アニメだけあって、テレビアニメも含めていろいろな仕掛けをしていますから。

だからこそコナンは考察なども盛り上がるんでしょうね。面白い。

 

閑話休題

 

問題は、原作(漫画・小説)とアニメという異なるふたつのメディアの関係でしょう。

もちろん大別すれば、原作とアニメが一緒か、それとも別かという二択があります。

そしてこの『ぼく勉』アニメで問題だったのは、まだ原作では描かれていない結末が予告されているように思えるからですね。

 

この点についてちょっと生真面目に考えてみました。

 

今回の件を経ていろいろ考えたいこともあるのですが、現時点の私見として言わせてもらえば、特別な事情がない限りアニメで原作未解禁の結末を予告するという可能性は低いように思えます。

 

主な理由は2つ。

 

第一に、最近のアニメは原作の宣伝という側面が強いので、既存のファンの反発を買ってまで衝撃的な結末を描く必然性がないから。

とはいえさすがに『ジャンプ』というブランドがあるがゆえに、炎上覚悟の話題重視路線を選んだ可能性もありますが、それはなさそうな気がします。

 

第二に、作品としてのアナザールートが一般化してきたから。

この現象を便宜的に「アマガミ以後」と個人的には呼んでいます。こういった呼称を決めといたらカッコいいでしょう。「BOOWY以後」みたいな。

とりあえずその言葉で意味しているのは、ゲーム以外でアナザールートが明確に描かれることが珍しくなくなったという現象です。

そのため、もちろん対象となる作品はハーレムものとかヒロインが複数の作品。

その点、アニメ『アマガミSS』が画期的でした(個人的に)。なぜなら各ヒロインのルートをオムニバスで描いたから。ちなみに同じ時期にアニメ版『ヨスガノソラ』も同じ試みをしていました。

その後、アニメとしてルート別のオムニバスを描くこと自体はそこまでありませんでしたが、アナザールートという存在が強烈に印象付けられるきっかけにはなったと思います。その頃ちょうどアニメの『シュタゲ』も放送されていたので、「世界線」という言葉が乱用されることの影響もあって普及されたところもあったように思えます。

結果、アナザールート作品が一般化した気がします。もちろんゲームなどでは「ルート」は周知のことでしたが、漫画や小説などの特典となることも多くなったような。

まあ要するにここで言いたいのは、こうした流れを踏まえると原作漫画とアニメをルート別に分けることも十分あり得るということです。 

 

というわけで、少なくとも今回のアニメ版の結末は、うるかENDのアナザールートを描いたものと理解できなくもないわけです。

 

あと、もっと独断と偏見に満ちた意見もあります。

 

個人的に、『ぼく勉』の作品的な正妻戦争の序列は真冬先生、文乃、うるか、理珠、あしゅみー先輩の順だと思っていました。

この序列や各キャラの背景、アニメの尺などをいろいろ考えたうえでアナザールートをアニメで描くとなると、ベストだったのがうるかだったのではないか、と。

 

とはいえ、こんな長ったらしく語っといてアレですが、この解釈にももちろん問題があります。

端的に言えば、アナザールートとして描いたとしたら内容がなさすぎということ。

 

結局問題は、今話最後に何の脈絡も伏線もなくうるかルートに突入したことですね。

『ぼく勉』アニメはこれまで原作にかなり忠実に描いてきたので、なおさら悪目立ちしたという印象です。

 

あるいは、以前の記事にも書きましたが2期のうるか留学エピソードは珍しく原作の複数のエピソードを編集してアニメ化していたので、そのあたりがすでに今回のうるかENDの予告になっていたのかもしれませんね。

 

ただ、今話の真冬先生と成幸の面接練習シーンは、原作を読んでいる者にとってはある種の伏線になっていましたが、それが今後アニメ化されないとしたら、なぜ描いたのか若干疑問です。

あるいは、人気投票圧倒的女王の真冬先生のファンへのサービスだったのか?

 

まあ、ここまで長々と感想を書いてきましたが、結局大事なのは次のこと。

 

真冬先生が一番。

 

以上、ぼく勉アニメ2期最終回の感想でした。