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ちはやふる3 第5話「あまのかぐやま」【アニメ感想】

ちはやふる三期5話の感想・レビューです。ネタバレありです。

 

吉野会大会準々決勝の続きです。波瀾に次ぐ波乱。そして次回、吉野会大会決勝。

やっぱりこの大会は見どころ盛りだくさんです。ここまでちはやふるを見てきた人にとっては、この準決勝の勝敗だけでもかなり盛り上がったのではないでしょうか。

 

今回は準々決勝後の、いろんな交流も詳しく描かれています。個人的にはそこがかなり好きです。

 

 

 

【今回のちはやふる

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©末次由紀講談社・アニメ「ちはやふる」プロジェクト2019

 

猪熊さんとの差を詰めてきた千早。今大会一番のスピード勝負。

良い勝負になったのは、「ちは」の札を取られたショックが猪熊さんにあるから、と分析する桜沢先生。

楽しそうにかるたを取る千早。焦る猪熊さん。すると、そのとき会場に入り込んだ自分の子供を見て、猪熊さんは「楽しむかるた」をあらためて意識します。

直後、「攻めた」のではなく「わかっていた」猪熊さんの取り。「聞こえたから取るだけの女王の感じ」と称する桜沢先生。

口元にかすかに笑みを浮かべる千早。

その次に読まれた札は空札。しかし動いた札。お手付きをしたのはどっちか。

「風圧ですよね?」と同時に言う千早と猪熊さん。そして一緒に笑う2人。

 

そんな千早の落ち着きの理由は、詩暢の強さへの信頼。相手がどんなに強くても詩暢よりは強くないと思うことで得られる落ち着き。

ただ、そんな詩暢も無敵ではありません。新に負けています。しかしそれは千早にとっては問題ないこと。なぜなら千早はその新の強さも信頼しているから。

 

と、思ったところで、坪口さんvs新の試合が決着。

勝者は坪口さん。千早と太一すら驚きます。どうやら最後の5枚全部が坪口さんの狙い通りの出札だったらしい。

「これだからかるたはわからない」ということ。

直後、原田先生の試合も決着。勝者は村尾さん。しかし差を詰め最後まで粘った原田先生のおかげで、村尾さんは疲労困憊。

 

残るのは、太一vs須藤さん、千早vs猪熊さん。

残り4枚。それぞれ2枚ずつ持って互角という状況。

直後、敵陣を攻めて取った千早と太一。白波会魂。

そして次の読み札。「しのぶ」を取った千早。千早の勝利。その千早の取りを見て、「音が消えていっている」と感じた肉まんくん。

 

一方。例のごとく、運命戦になっている太一。

自陣を守るのがセオリーの運命戦。しかし迷わず敵陣を攻めて取った太一。

勝者、太一。

怒りに震える須藤さん。やけっぱちで取ってんじゃねーよ、と。それに対して、自陣が読まれるなんて楽観はもうしない、と答える太一。あきれる須藤さん。

 

そして、準決勝。

決まった対戦カードは、千早vs坪口さん、太一vs村尾さん。

それを見て坪口さんは「譲る」と不戦敗を申請。同会相手などだとよくあるとのこと。そして猪熊さんとの試合直後寝てしまった千早を休ませるように言う坪口さん。

そして坪口さんは太一に向き合います。今こそ、勢いや運ではなく実力だと証明するときだぞ、と。太一には運も勢いもないと知っている白波会の坪口さんだからこそのアドバイス

相手は新の兄弟子の村尾さん。プレッシャーを感じる太一。

 

準々決勝後の舞台裏。

試合に敗れ帰宅する猪熊さんとそれを見送る桜沢先生。そこで猪熊さんは桜沢先生に練習相手になってほしいと頼みます。全部尽さずに負けるのは嫌だからと。

「ちは」をとられたのがよほどショックだったのねと図星をつく桜沢先生。猪熊さんの旧姓は「千原」。

そして猪熊さんの本格復帰を聞き、涙を流す桜沢先生。

 

原田先生と坪口さん。

千早に譲った坪口さんに対して「ずいぶん余裕じゃないか」と原田先生。本気でやれるなら愛弟子とだって死ぬ気でやる、名人と当たるまでにまだ成長できるかもしれない、と言う原田先生の迫力に気圧される坪口さん。

もし対戦相手が太一だったら譲ったか、と尋ねる原田先生。すると、「潰しにいったかも」と答える坪口さん。

 

始まる準決勝。

初めて太一の試合を観戦する新。ここまで来た太一について、過去を思いながら、一番意外だと微笑みます。

 

その後。

劣勢の村尾さん。

微妙な出遅れによる絶妙な守り、攻めからの刀のような自陣への戻り手。須藤さんなど、これまで戦った相手の特徴を太一は取り入れています。

「千早はいない、新は見てる、そして原田先生がのっかっている」と思う太一。

村尾さんが負けるわけないと思う新。太一が伸びる道は「守りがるた」だったと気づく原田先生。

 

結果、準決勝。勝者、太一。

 

目覚め、会場に現れた千早。向き合う2人。

 

吉野会大会決勝は、千早vs太一。

 

今回はここまで。

 

 

 

【今回の感想】

原作漫画を読んでいたときも、ここらへんはかなり興奮しました。アニメでもその盛り上がりは十分に描かれていたと思います。

以下、原作を読んだ時の感想を交えつつ書きたいと思います。

 

まず一番の衝撃だったのは新が負けたことです。この前の全国大会で詩暢に勝った新は、作中最強キャラ候補として印象付けられたばかりだったので、なおさらです。

しかし、まさにこのあたりで、かるたでは強弱の推移関係が単純には成り立たないとわかり面白くなった気がします。

確かにこれまでもそう思いたい描写はありました。例えば、千早2年次の東京都予選決勝の千早vs甘糟とか。そのときもいろいろフォローはありましたが、去年須藤さんに勝ち全国トップクラスの千早が甘糟に負けたということに少なからず不満を感じた人も多かったと思います。

そこらへんの不満を解消してくれるかのように、「かるたはわからない」ということを作中最強候補筆頭である新を例にして示してくれた気がしました。とはいえ、普通ならこんな強さがわかりづらい展開には文句を言いたくなるところです。しかしその気にならないというのが、本作の各キャラの魅力にあるんでしょうね。

 

この波乱の展開にのるかたちで、原田先生の敗北。もちろん村尾さんはトップクラスの実力者ですし、原田先生には疲労が響いたのだろうと納得できます。しかし、先ほどの新の敗北があった以上、「原田先生の負けが確定したわけじゃない」と思えることができたわけです。

 

ここらへんが絶妙なバランスですね。相性や状況、精神的・身体的なコンディションなども含めれば、勝敗はいくらでも揺らぐということ。この時点でこうした勝敗の揺らぎを導入したことで、これ以降のワクワク感が増した気がします。

だからこそ、須藤さん相手の太一の勝利もまだ完全なものではないとの楽しみが生まれました。そして千早の方は、元クイーンに勝利したという功績を得て、しかも同じく「感じ」が良い相手との戦いという経験を積みながら、今後の猪熊さんの再起を期待させる展開になったわけです。

 

そして準決勝。

村尾さんに勝利する太一というのは、絶妙な舞台設定だったと思います。おそらくこの2人の対戦以外ではありえなかっただろう意味が生まれました。

この吉野会大会。あまりにも盛りだくさんですが、それでもやはりメインは「千早の復帰」と「太一の成長」でしょう。前者は猪熊さんとの試合で証明されました。そして後者の証明のために最適の相手だったのが村尾さんだったということです。純粋な実力という意味では同等な坪口さんや原田先生相手では、こんな盛り上がる展開にならなかったでしょう。だからといって新との試合はまだ早いです。だからこそ、村尾さん。ベストチョイス。新と太一の今後のライバル関係も見据えて。

 

結果、ついに実現した千早vs太一の公式戦。しかも決勝戦

アニメ三期1話で予告されていた展開。同時に、なんだかんだこれまで実現していなかった対戦。これは面白いですよ。

 

もちろん他にも好きなシーンはたくさんありました。

例えば、「親には子供と同じくらい大事なものがあるって感じることが私を自由にした」という猪熊さんの言葉は良いですね。

それと、準々決勝後の原田先生と坪口さんのやり取りは大好きです。千早のクイーン戦とは別に、名人戦の熱戦を予感させました。盛り上がりますよね。

 

語り始めたら止まりません。とりあえず、最高の盛り上がりです。

 

次回以降も盛り上がります。

 

以上、ちはやふる三期5話の感想でした。