因果交流電燈

本とアニメを題材にしていろいろ語るブログです。

『今日、小柴葵に会えたら。』1巻・感想

『今日、小柴葵に会えたら。』1巻(原作・竹岡葉月、漫画・フライ、一迅社)の感想を書きます。

 

 

あらすじ

高校2年の夏、キラキラしたい外面命な養殖女子「成田佐穂子」は

体育会系で天然女子「小柴葵」と出会ってしまった。

 

もともと地味子であった佐穂子は天然でキラキラして見える葵に憧れ、

友達になりたいと近づこうとするが、

何故かキスをしてしまう…。

 

これがすべての始まりだった。

 

政宗くんのリベンジ』原作の竹岡葉月さんの新作。

 

僕は『政宗くん』のアニメから入って原作もすべて買って読んでいました。

だから同じ原作の方の作品ということで読んでみました。

 

それにイラストもいい。『政宗くん』のTivさんも好きでしたが、今回のフライさんのイラストも抜群です。まず表紙のインパクトで心を掴まれました。

 

表紙とあらすじを見て予想はしていましたが、ばっちり百合ものでした。

政宗くん』と毛色が違いすぎて意外ですが、今回も女性キャラの魅力が存分に描かれることを期待したいですね。まだ1巻は主要キャラの紹介という感じでしょうか。どうやらドロドロの展開になりそうな雰囲気です。

ちなみに僕は『政宗くん』では師匠派です。愛姫様ももちろん好きですが。

 

本作は、養殖女子の主人公と天然女子のヒロインの物語です。言い換えれば、計算高い主人公と純粋なヒロインのお話です。(というか、百合ものの場合「ヒロイン」という表現は適切なんですかね?)

僕は百合ものには不案内ですが、『citrus』を見てからけっこう興味が出てきているところです。『citrus』はアニメを見て漫画も全部読んでしまいました。

 

百合系作品のキャラについては、テンプレといえるものが僕の中ではまだ定まっていません。例えば本作と『citrus』を比較してみると、主人公とヒロインの造形や関係性がいろいろ違いますね。主人公の方が積極的なのは共通しているように思えますが。ただ、主人公が茶髪や金髪でヒロインが黒髪という作品は多い気がします。単に僕が知っている作品が偏っているからなのか。

 

本作の物語に関して僕が特に気になるのは、救済されるのは主人公とヒロインどちらなのか、ということです。「救済」というと少し大仰かもしれませんが、例えば「殻を破られる」とかそんな感じです。最終的には主人公とヒロインが互いに互いを救済することになるのかもしれませんが、物語の流れとして一方向を軸に進行することが基本的には多いように思えるからです。その点、本作は予想しづらいところがあります。

 

また、主人公が高校2年生のときの話だけでなく、大学3年生時点の話が挿入されているのも面白いところです。普通に考えれば、本編(高校2年編)を補完するものとして未来時点を並行的に描いているのでしょう。ただ、1巻では高校2年生編が主軸になっていますが、今後の展開によっては大学3年生編が前面に出てくることもありえるのかもしれません。このような未來編の挿入は『かくしごと』(久米田康治)にも見られます。『五等分の花嫁』もそうですね。最近の流行りなんでしょうか。

 

いずれにせよ今後の展開に期待できます。それに単純にイラストがかわいいので、それでも十分に楽しめます。